訃報
 
 去る6月27日(木)午後14時頃、当日本乾癬患者連合会代表の佐々木憲夫会長が、食道がんによる間質性肺炎の為、札幌市内の病院にて逝去いたしました。昨年10月に病気が発覚して以来のおよそ9ヶ月間、精神的にも身体的にも想像を絶する厳しい状況と果敢に戦い続けましたが、残念ながら早すぎるお別れとなりました。

 佐々木会長はご自身も乾癬患っておりましたが、同病で苦しむ患者さんを一人でも救いたいと、私財を投じ全国各地を訪れ、各地に乾癬患者会ができる礎を築くなど活動を続けられました。 

また、今では乾癬の治療法としては当たり前となりつつある生物学的製剤も、当時、特に決定的な治療法もなく、骨破壊や関節の変形・痛みに苦しんでいた関節症性乾癬の患者さんを目の当たりにして心を痛められ、患者会で厚労省の早期承認を得るための署名活動を行なう判断をされました。 そして多くの先生方、学会のご支援のもと、ご自身もまた道行く人にまで声をかけ、膨大な署名を集めるなど積極的に活動し、通常では認可までに3年から5年かかると言われているものが僅か1年で認可されるなど大きな功績を残されました。

 更に2011年3月11日に起こった東日本大震災の際には、いち早く宮城県や福島県などの被災地を訪れ、現地の患者さんに声をかけて励まし、またプライバシーの確保ができない避難所で治療もできずに苦しむ乾癬の患者さんがいないかと、何箇所もの避難所を回り、更にはライフラインが止まった事で医療活動に支障が出ていた皮膚科医院に水を送るなど尽力されました。

 佐々木会長のこの精神は、命の最後の一滴の雫が落ちるまで続き、亡くなる最後の入院中も、 ご自身の病気を差し置き、病床に患者会で作製した乾癬ハンドブックを置き、血圧を測りに来た看護師さんを捕まえては乾癬という病気があること、そして患者さんの置かれた苦しい状況を説明しつつハンドブックを手渡すなどの啓蒙活動を続けておりました。

 このような佐々木会長の生前のご活躍に敬意を表すると共に、私たちはその精神を受け継ぎ、よりよい乾癬患者会活動を続けていくことが残された者の使命ではないかと考えております。

 生前、諸関係の皆さまにおきましては大変お世話になりましたこと、故人に代わり厚く御礼を申し上げますと共にご報告させていただきます。

  日本乾癬患者連合会
事務局長 添 川 雅 之
平成25年7月6日
  ありし日の佐々木憲夫会長

患者会ブースではいつも中心に


大阪の学習会での会長挨拶



日本乾癬連合会佐々木憲夫会長(向かって左)
日本乾癬学会元理事長の金子史男先生(中)
東京慈恵会医科大学附属第三病院皮膚科上出良一先生(右)
患者ブースで啓発活動


奥様(向かって左)、岩手医大皮膚科遠藤幸紀先生(中央)
岩手県患者会設立に尽力された


学会などの患者会活動ブースでは常に設営準備を率先しておこなった

いつも奥様と共に(右は慈恵医大上出良一先生)